すべてに疲れたときは、スガシカオの「sugarless」を聴こう。

現代人は、常に何かに..

すべてに疲れたときは、スガシカオの「sugarless」を聴こう。

現代人は、常に何かに追われています。

日々やることに追われて、
他人の期待に追われて、
恋人からの連絡に追われて、
自分自身にさえプレッシャーをかけて…

それを楽しめているあいだはいいのですが、
すべてを放り投げてしまいたい衝動に駆られてしまうことだってありますよね。

そんな、焦りと疲れでどうしようもないときに
「負けないで」だの「がんばれ」だの叫んでいる曲を聞いても、
疲れてしまうのはわたしだけでしょうか。

そんなときに聴くようにしているのが、スガシカオの初期の曲。
特に最近良く聴くのは、「sugarless」というベストアルバムです。

2001年に発売されたこのアルバムはただのベストではなく、
それまでに発売されたシングルのカップリング曲と、
他のアーティストに提供した曲のセルフカバーのみを収録しています。
また、スガシカオがオリコン1位を獲得した唯一のアルバムでもあります。

このアルバムを一言で表すとすれば、

「すべてを受け入れる心地よい倦怠感」

だと思います。

そう、決して前向きではないのです。
むしろ、ダメ人間感を前面に押しだしてきます。
スガシカオ独特の高くかすれた味のある声で
人間の弱く、醜い部分を隠すことなく、痛々しいまでに歌い上げます。
でも最後には、それでもいいんだよ、とやさしく包み込んでくれるのです。

たとえば、このアルバムの曲の中で最も有名であろう名作、「夜空ノムコウ」。
SMAPの曲というイメージが強いですが、実は作詞はスガシカオが担当しています。
そして、SMAPのシングルから3年たったあとに始めてセルフカバーしたのがこの曲です。
正直、まったく別のものに仕上がっています。

SMAPの歌う「夜空ノムコウ」は切なさと後悔に胸がギュッと締め付けられるのですが、
スガシカオの「夜空ノムコウ」は何もできなかったやるせなさと諦めがひしひしと感じられるのです。

そう思うと、

”あれからぼくたちは 何かを信じてこれたかなぁ”

という歌詞の解釈もずいぶん変わってきますよね。

また、個人的にすごくツボなのが「ココニイルコト」。
こちらもSMAPに提供した楽曲のセルフカバーなのですが、
曲の最後のサビに大好きな一節があります。

”ぼくらが二度とない今に光る星ならば
昨日と変わらない今日を生きる意味がある”

同じ日々の繰り返しに言いようのない焦燥感を抱えるわたしたちを、
それでいいんだよ、と受け入れてくれる人が、どれだけいるでしょうか。

完璧を求める社会に疲れたわたしたちには、
失敗を受け入れてくれる声も必要なのかもしれません。

自分を責めて一人で泣くまえに、
このアルバムを聞いて、ダメな自分を許してみませんか?