おはよう日本/般若って知ってますか?

「CDなんてレンタル..

おはよう日本/般若って知ってますか?

「CDなんてレンタルでいいじゃん。何でわざわざお金払って買うのかわからない」。それまで私はずっとそう思っていました。そんな私が人生で初めて買ったCDは般若という日本人ラッパーの「おはよう日本」というアルバムでした。当時私は中学生で、聴く音楽はその時よくテレビに出演していたような、所謂J-POPのメジャーアーティストばかりでした。ところが、ある日MTVで偶然目にした「ちょっとまって」という曲のプロモーション・ビデオを見て衝撃を受けたことを覚えています。見るからに悪そうな男性がゲームセンターで大都会・東京のエピソドーを話している。アーティストと呼ぶにはラフ過ぎる格好。今思えばラッパーらしい服装だったのですが、当時の私はラッパーいう存在すら知りませんでした。

ストーリ仕立ててで展開していく曲。ロックなどの音楽と違い、言葉数が多いのでまるで絵本でも読んでもらっているかの様に情景が頭に入ってきました。曲調は淡々としていてコミカルなメロディーでは無いのに「ぷぷっ」と笑わされてしまうオチまでついていました。「あ、この人の曲はメロディーじゃなくて歌詞で勝負しているんだ」、中学生ながらそう思いました。プロモーション・ビデオを見終わった後、私は「もう一度聞きたい!」と思っていたのですが、当時は今のようにyoutubeどころかインターネット自体今ほど普及していませんでした。その週末、さっそく私は友達を付き添いにして、般若のCDを探しいCDショップへ向かいました。ところが、どこを探してもありません。その頃はまだ今のようにジャンルの欄に「J-HIPHOP」というものがありませんでした。付き添いで来てもらった友達にもっと探してもらうように頼んでも「そもそも誰だよ」と笑われる始末。友達の態度にイラつきつつ「もしかして、そんなたいした事ないアーティストのCD買おうとしてるのか?」と、自分に対して半信半疑になりながら3件目のCDショップの棚の隅っこに1枚だけ「般若-おはよう日本」と書かれた背表紙を見つけました。その

時、手に取る前に凄いドキドキした事を鮮明に覚えています。「《ちょっとまって》じゃない・・・《おはよう日本》って絶対あの人のCDじゃなさそう・・・」と思って手に汗握りながらそのCDを手に取ると、日本刀を持ったあのミュージック・ビデオに出ていた怖い男性がこちらを睨んでるジャケットでした。「おお!!この人だ!!!」思わず友達に向かって叫びました。曲目を見ると「ちょっとまって」の収録されていました。帰り道、機嫌の良くなった私は友達に「パンでも奢るわ」といってウキウキしながら帰りました。まさか人生初のCDが当時無名だった日本人ラッパーのCDだとは今思い返しても自分で笑ってしまいます。